1.会社法用語
┣委員会設置会社
┣会計監査人設置会社
┣株式移転
┣株式交換
┗議決権制限株式
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2.会社法の改正ポイント
┣新会社法で何が変わった?
┣最低資本金制度の撤廃
┣減資とは?
┗役員賞与が費用計上
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3.会社のルール
┣有限会社が廃止?
┣擬似外国会社とは
┣Web開示とは
┣特例有限会社のみなし規定
┗既存「確認会社」の取扱い
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4.会社の仕組み
┣株式会社をつくるメリット
┣取締役会のない株式会社
┣株式会社と持分会社
┣会計参与とは
┣決算書の「利益処分案」
┣株主資本等変動計算書
┗注記表とは
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5.株式の仕組み
┣種類株式とは
┣黄金株とは
┣株主配当はいつでもできる?
┣3%の株主で株主総会招集?
┣新株予約権
┣ストックオプションとは
┣株券のペーパーレス化
┣自己株式の消却とは
┣累積投票とは
┣株主総会の召集通知
┣議決権の不統一行使
┗株式譲渡制限会社のメリット
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6.取締役の役割
┣新会社法の内部統制
┣コーポレートガバナンス
┣内部統制の2つのルール
┣過失責任と無過失責任
┣新会社法と日本版SOX法
┣日本版SOX法の目的
┣日本版SOX法の内部統制
┣内部統制への取り組み
┣内部監査人の責任と役割
┣取締役会の書面決議
┣社外取締役とは
┣取締役会の権限
┗役員賠償責任保険
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7.M&Aの仕組み
┣三角合併とは
┣営業譲渡(事業譲渡)
┣新株予約権とは
┣簡易組織再編制度とは
┗略式組織再編とは
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8.Q&A(事例集)
┣株式会社の登記はどうなる?
┗決算公告しないと法律違反?
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9.会社の種類
┣有限責任事業組合(LLP)
┗合同会社(LLC)
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10.その他
┣定時株主総会議事録の記載
┣決算書が変わった?
┣株主総会議事録の署名押印
┣暴力団との関係遮断を明記
┗内部統制「実施基準(案)」
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種類株式とは
会社は、“議決権がある株式”と“議決権がない株式”を発行するというように、「内容の異なる株式」を発行できます。このように2種類以上の内容の株式を発行する場合、それぞれの内容の株式を「種類株式」といいます。従来の“普通株式”も「種類株式」の一つになります。
新会社法では、次の9事項について、異なる内容の2種類以上の株式の発行を認めています。
1.剰余金の配当
2.残余財産の分配
3.議決権制限株式
4.譲渡制限株式
5.取得請求権付株式
6.取得条項付株式
7.全部取得条項付株式
8.株主の拒否権付株式
9.取締役・監査役選任権付株式
実は、この種類株は、中小企業の事業承継に有効なのです。
例えば、後継者以外の子どもには“議決権を制限する株式”を与える仕組みにしたり、 “取得条項を付して、万が一問題が生じそうなときには、その株式を取り上げる株式”を作るなどです。
このように、後継者問題の予防策としても、種類株式の活用が注目されています。
(注1)
新会社法108条の「種類株式」を発行するには株主総会の特別決議が必要で種類株式を発行していることを知らせるために登記が必要です。
(注2)
未上場会社の場合、このような特殊な株式の価額をどのように評価するのか、税制上の取り扱いに変化があるのかなど、種類株の活用にあたっては留意が必要です。
黄金株とは
黄金株とは、株主総会などで、決議する事項について「NO!」といえる「拒否権」を もっている株式です。新会社法では、拒否権をもつ株式と、そうでない株式とを発行できるようになりました。
会社の重要事項を決めるとき、通常は、株主総会や取締役会などで承認の決議がされれば決定です。
しかし、拒否権付の株式を発行している会社では、通常の株主総会などに加えて、「拒否権付の株式をもっている株主の総会」を開いて、そこでも承認の決議が必要となります(会社法108条1項8号)。このような拒否権付の株式を「黄金株」といいます。
この拒否権付の株式を、会社にとって友好的な株主に与えておけば、敵対的買収者に普通の株式を買い占められた場合でも、敵対的買収者の提案に対して拒否権を発動できます。取締役の決定について拒否権付の株式を友好的な株主に発行しておけば、例えば、ソ○トバ○クとか●天などに株式を買い占められ、普通の株主総会で、「取締役を総入れ替えする」という決議がされても、拒否権付の株式をもっている友好的な株主が、「取締役の総入れ替えはNo!」といえば、普通の株主総会で決まった「取締役の総入れ替え」は「無効」となります。
また、新会社法では、一部の株式についても「譲渡制限」をつけられるようになりました。
これは、株式を売買などによって取得するときには,会社の承認を必要とするという取り決めをしておけば、会社にとって好ましくない株主に、株式が渡るのを未然に防げるわけです。拒否権付の株式に「譲渡制限」をつけておくことによって、その株式の売買を会社のコントロール下におけるので、買収防止効果が増します。
上場企業では、敵対的買収の防止手段として活用されていますが、中小企業では、相続などの事業承継で活用されるケースが考えられています。また、ベンチャー企業が、ベンチャーキャピタルなどから出資を受ける際に、自らの経営権を維持する手段として活用することも考えられますが、そういう株式を発行している会社にベンチャーキャピタルが出資してくれるかどうかは不明ですが・・・
株主配当はいつでもできる?
新会社法では、剰余金の株主への配当の回数を、これまで通常の配当と中間配当の年2回に限られていましたが、株主総会の決議によりいつでもできるようになりました。
また、配当など剰余金処分の権限を、株主総会から取締役会に移管することが出来るようになりました。
ただし、定款変更が必要なため、株主総会で決議する必要がありますが、決定すれば、四半期ごとの配当も可能となるため株主や投資家の関心も高まっており、株主総会の議題の目玉のひとつとなるでしょう。
3%の株主で株主総会を招集できる?
株式会社にとって重要な存在が「株主」である。会社は少数の株主の意見でも尊重する必要がある。その考え方を明確になっているのが、『会社法第297条第1項』の条文である。ここには、株主総数の100分の3以上、すなわち3%以上の議決権を持つ株主は、株主総会を開催するよう会社側に請求することができるとしている。
全体の3%なので、一人で3%の議決権を持っている必要はなく、同調する株主が集まって、結果的に3%以上になれば請求できるのである。
ただし、同条文では、6ケ月以前から引き続き株主でなければ、その権利が行使できないとしているが、会社側が、それ以下の期間を定めてもかまわないとしている。
この条文は、少数株主に発言の機会を与えることで、経営者の暴走を防いだり、多数派株主の独占を防止するために設けられているのである。
新株予約権〜ポイズンピルとストックオプション〜
新株予約権とは、会社に新株を発行させる、または会社の自己株式を移転させる権利のことです。簡単に言うと、株式を特定の価格で購入できる権利で、コール・オプションのことを意味します。新株予約権の所有者は、新株予約権を行使して、会社に新株を発行させる、または自己保有株式を移転させることができます。
新株の発行にあたっては、原則、株主総会の特別決議の了解をもらわなければならない(会社法第238条・第309条)が、公開会社は、有利発行(※)の場合を除き、その発行を取締役会が行う(会社法第240条)。
※有利発行
新株予約権が、特に有利な発行価額で発行されている場合のことをいいます。有利発行には、株主に発行する通常の「株主割当」と、「株主以外の第三者に対する発行」があります。株主割当とは、総株主を対象に持株比率に応じた一定の割合で、新株予約権を与えることです。株主以外の第三者に対する有利発行には、会社の取締役・従業員にストック・オプションを付与する場合と、一般の新株予約権の有利発行があります。
新株予約権の用途は幅広く、参考までにその用途を説明します。
(1)敵対的買収への対抗策として、新株を発行し、相手の株式持分比率を下げる
このやり方が正当と認められるには、相手のやり方がよほど悪質な場合に限られる。
例えば、株式を買い集め、株価をつり上げ、その後、高値で会社に買い取りを迫るといった「グリーンメーラー」などがそれにあたる。
ただし、新会社法では、ポイズンピル(毒薬条項)の使用が可能になり、あらかじめ特定の株主に新株予約権を割り当てておいて、敵対的買収が行われたときに、その権利を行使してもらうことで、敵対的買収者の議決権割合を引き下げられるというものです。
今回の改正では、敵対的買収者が一定以上の株を取得した場合、株主の判断を仰ぐことなく、会社は新株を発行できるとあって、その効果に期待されています。
(2)ストックオプションへの活用
ストックオプションとは、役員や従業員に、一定期間後に自社株をあらかじめ決められた価格で購入する権利を認める制度をいう。
アメリカでは主要企業の9割以上が採用しているといわれているポピュラーな制度で、日本でも2001年の商法改正から徐々に導入する企業も現れました。
従来、ストックオプションは、財務会計上の費用ではなく、会社として現金を使うわけではないので、決算に影響するものではありませんでしたが、新会計基準になり、ストックオプションを決算で人件費、すなわち費用として扱わなければならなくなり、その人気にも陰りが見え始めています。
ベンチャー企業では、ストックオプションの付与率がケタ違いに大きいので特に深刻です。
また、決算処理ではありませんが、公開会社で発行株式数があまり多くない場合は、ストックオプションを行使するたびに、株式が市場でダブつき株価が下がることも考慮し、付与率にも注意が必要です。
単なる権利より、現物株(もともと費用計上)をぶら下げたほうが、従業員のやる気が出るかもしれません。
新会計基準で費用化になった背景には、業績はさっぱりなのに、粉飾決算で株価をつり上げ、その後、ストックオプションを行使し、高値で売り抜け、莫大な報酬を受け取っていた米国のエンロンやワールドコムの経営者によるストックオプションの悪用があります。
魅力ある制度で、証券会社からもメリット優先で導入を勧められることもあるかもしれませんが、会社にあった選択が望ましいでしょう。
ストックオプションとは
ストックオプションとは、新株予約権の一種で、会社役員や従業員が一定期間内(権利行使期間)に予め決められた価格(権利行使価格=ストライクプライス)で、会社から自社株を購入できる権利のことです。
株価が行使価格を上回った時点でストックオプションを行使し、株式を売却してキャピタルゲインを得ることができるので、社員の株価に対する意識が高まり、会社の業績向上に努めようとするインセンティブ報酬として、1990年代以降、主にIT・ハイテク関連企業で取り入れられました。
このストックオプション制度は、平成14年(2002年)の商法改正で新株予約権の無償発行方式になるなど、より使い手のいいインセンティブプランとなりました。それまで対象者が、自社の役員や従業員に限られていたのが、子会社の取締役・従業員、更には取引先にも可能になったのです。
また、発行済株式総数の1/10までとされていた発行枠(付与株式数)も制限がなくなり、株主総会における付与対象者の確定も不要になりました。
※従業員持株会は個人の貢献度等によって持株数を自由に調整できない点が新株予約権等と異なっています。
会社は付与株式を、新株発行にするか自己株式(金庫株)交付にするかの選択を、行使時点までに決めればよくなり、権利行使期間も制限がなくなりました。
ストックオプション制度の導入は、会社が企業価値や株主価値を強く意識しているというアナウンス効果にもなり、社員のやる気が高まり実際に株価が上昇すれば、既存株主にとっても、大きなメリットとなりますが、逆に、会社にとって有益な人にしか付与されないという格差が生まれる可能性も否定できず、非株主やストックオプションが付与されない従業員のモチベーション低下を招く要因にもなりかねず、導入にあたっては十分に配慮すべきでしょう。
さらに、権利が行使されると、時価よりも低い株式が発行される(株式価値の希薄化)ことになり、既存株主にも目を向けなければなりません。
会社の金庫株の交付という形を取るにしても、時価よりも低い価格での売却になるため、その分企業価値はマイナスになるからです。
ちなみに、オプションを行使して利益が出る状態をインザマネー、設定価格(行使価格)の方が、時価より高いか同じで、儲けが全く無い状態をアンダーウォーターといいます。
米国では、2003年7月、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の発言(「この9月から、ストックオプションは一切発行しない」)が、ストックオプションを導入していた他の企業の牽引役となり、積極的にストックオプションを導入する企業が減り、ストックオプション制度を取りやめる企業も出たのは有名な話。
さて、日本では、このストックオプション!
制度そのものより、制度をより有効に活用するために会社内部で十分に議論する必要があるでしょう。
株券のペーパーレス化
会社法では、上場会社については、平成21年6月をもって株券が完全になくなることになった。上場会社以外でも、原則、株券を発行しないこととなったのだ。これが「株券のペーパーレス化」である。
ペーパーレス化後は、株券は「株式振替制度」のもとで管理される。株式を保有すると、まず証券会社等が管理する口座に記録され、次に、その情報を得た振替機関が株式発行会社に通知する。
では、現在、個人投資家が保有している、いわゆる「タンス株」の扱いはどうだろうか。ここで重要なことは、この「タンス株」、放っておくと、タダの紙切れになる可能性があるということだ。
紙切れにならないようにするには、平成21年5月末までに、証券会社等の特定口座へ持ち込まなければならない。もし、その期限を過ぎた場合は、発行会社が所有者名義の口座を開設し、そこに株式が保管されることになる。よって、所有者自身が特定口座に振り替えるまでは、株式の取引ができないので注意が必要である。
発行会社は、株主名簿をもとに口座を開設するので、「タンス株」に記載されている株主の名義を書き換えるのを忘れてしまう可能性もある。すると、前の所有者名義で口座が開設されて、その人が株式を売却してしまえば、株主の権利を失ってしまうことがあるので、書き換えが必要な株式なら早期書換を。
参考までに、粉飾決算容疑で社長をはじめ役員が逮捕されたライブドアは、株式分割を行った際、新しい株券の発行が1〜2ケ月のラグを利用し株価高騰させ、利益を得つつ、時価総額を倍増させていったのは有名だが、「株券のペーパーレス化=株券不発行」となれば、株券を発行するといった物理的なラグにつけ込んだ手法は通用しなくなる。
このように、株券不発行は、株式市場の合理化だけでなく、健全な株式取引を行うためにも重要である。
自己株式の消却とは
旧商法では、自社株の消却には、取締役会の決議で実行する場合と、資本減少や定款に基づき配当可能利益による消却をする場合であり、それぞれ別々の条文があった。
会社法では、「取締役会設置会社であれば取締役会の決議によらなければならない」と一つになった(会社法第178条第2項)。
というのも、旧商法時代には、利益配当金や役員賞与など未処分利益は決算日にそれぞれ細分化し、定時株主総会において「利益処分案」として決議していた。
会社法では、株主に対する金銭等の配当と、自己株式の取得(有償)を、「余剰金の分配」として概念を統一した。必ずしも定時株主総会において決議する必要がなくなった。会社法が自己株式の消却を一本化したのは、そのような概念を統一するといった改正方針に対応させたわけである。
消却手続きが単純化したので、今後、自己株式を消却する企業が増えていくかもしれない。
ダブついた株式の需給を引き締めた分を株主に還元させ、ROE(当期利益を株主資本で割った指数=つまり、株主から与えられた資本を、企業がどのように利用し、利益を上げたかがわかる)が上がるなら悪い話ではないようだ。
ちなみに、米国の企業は、株主利益を重んじるため、この指数を意識する。日本では、20%を超える上場企業は少ないが、米国では、ROEが20%とか30%という企業が少なくない。
米国と日本のROEの差はどこから生まれるのか。
単純に言えば、米国では、資本の消却が、以前から認められていたため、分母の数値、つまり資本を減らせば純粋にROEが上がるからである。
ROEを上げる方法は、
・利益(分子)を増やす
・資本(分母)を減らす
米国の企業のROEが日本に比べて高いのは、不採算事業を必要としている他社に売却する一方で、投資する必要がなくなった資金で株式を買い取り消却しているのも理由の一つである。
少数株主が取締役を選べる累積投票とは
取締役や監査役等の役員の選任は、株主総会で決議されるが、その決議は多数決で行われるため、多数派の思うようになりがちだ。かといって、取締役は、会社に大きな影響を与える力を持っているので、少数派の意見にも耳を傾ける必要がある。
会社法では、2人以上の取締役を選任するときは、累積投票が行えるとしている。これで、少数株主から取締役を選任できるようになった。ただし、累積投票を行うには、会社に対して株主総会の5日前までに書面にて請求しなければならない。
累積投票は、1株につき千人する取締役数だけ議決権が認められており、単元株制度を採用している会社の場合は、1単元ごとに割り当てられることになる。
その議決権を1人の取締役に集中して投票できるし、2人以上に分散して投票することもできる。そして、得票数が多い順に定員数まで当選となる。
例えば、
資本金20億円の会社で、発行済株式が400万株あるとする。
すべての株に取締役を選任する議決権がついていて、1単元が100株とすると、400万株÷100株で、議決権が4万票ということになる。
その会社で5人の取締役を選任する場合、先の議決権4万×5倍=20万票になる。
そこで、6番目の候補者が獲得できる最高得票数は、20万票÷6だから、33,333票となり、この得票数より1票でも多ければ、その候補者は当選することになる。少数株主が集まって7万票になったとすると、少なくとも2人の取締役を選任できることになる。
しかし、そうもならないケースがある。
実は、商法において、定款で「累積投票を認めない」と定めることができる、とあるのだ。もし、累積投票を認めたくない場合は、定款を確認してみましょう。
累積投票制は、多数派によって取締役を選任し、選任された取締役の横行を防止するメリットがあるが、一方、取締役会内部に派閥対立を引き起こす原因につながる恐れもある。
株主総会の召集通知
株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の2週間前(取締役会設置会社以外は1週間前)までに株主に対して、その通知を発しなければならない。2週間前の場合、召集通知を発送した翌日から数えるので、正確には15日前ということになる。
すべての株主の同意があれば、この手続きを省略することができるが、そうでない場合は、必ずすべての株主に対して期間内に通知を発送しなければならない。
通知する方法は、原則として、株主の同意がない限りは、「書面」で行わなければならない。例えば、電話のような音声だけの通知ではいけない(FAXは可)。電子メールも、法律上「書面」として認められるようになったが、これは株主から電子メールで通知してもよいと承諾があった場合に限る。
会社法第299条第4項では、召集通知には、株主総会で決議しようとする事項をすべて記載しなければならないと定めている。
また、株主が1,000人以上いる会社の場合、その召集通知には、貸借対照表や損益計算書、営業報告書など計算書類と監査役の監査報告書の謄本を添付しなければならない(会社法第438条)。なお、会計監査人を選任している場合は、このほかに、会計監査人の監査報告書の添付が必要である。
ちなみに、株主総会の開催場所については、商法では、本店の所在地あるいはその隣接地に限っていたが、会社法では、特に定款に定めがなければ、どこでもいいとなっている。かといって、通知から日程を鑑み株主が参加しがたいような場所での開催は、場合によっては決議そのものが無効になるかもしれない。
議決権の不統一行使とは
株主は、株主総会に出席し、決議に参加する権利が与えられているが、これを「議決権」という。議決権は、1株(または1単元)につき1個が与えられているが、種類株の導入により、議案によっては議決権がない株もある。
つまり、取締役の選任はできるが、株主提案ができないといったように、「持ち株数=議決権」ではなくなっているのだ。
会社法第309条第1項では、定款で特別の規定がないのであれば、発行済株式総数の過半数を超える議決権を持つ株主が出席し、その議決権の過半数が賛成しなければ決議が成立しないとしている。
具体的には、発行済株式の総数が40万株で単元株を取っていなければ、最低でも出席株主の合計議決権数が20万1で、かつ、そのうち10万1の議決権数の賛成がなければ決議不成立となるのだ。
一方、会社法第313条では、一人の株主が2つ以上の議決権を持っている場合、その議決権を統一しないで行使できるのである。
例えば、一人で1000個の議決権を持っていたとして、ある議案に対して、賛成700、反対300と投票できるのだ。
これは、株主の中に、他人のために株式を所有する(株式の信託)場合があり、その他人の意見を総会に反映させるためだ。
このことが、『議決権の不統一行使』といっている。
株主にとって、株主総会は、会社の経営方針にクチを挟める機会だが、どうしても出席できないこともある。そんなときは、委任状を代理人に託して代理人に出席してもらうことができる。
しかし、代理人の資格は「株主に限る」と定款に定めている会社も多い。代理人が株主でなければ、会社は株主総会への出席を拒否できる。要は出席できるのは株主でなければいけないということだ。
また、会社法第310条第5項では、会社が代理人の出席を認めていても、代理人の数を制限できるとしている。
現株主へ委任状を託した出席できない株主の意見を反映させるために認められているのが『議決権の不統一行使』なのだ。
株式譲渡制限会社のメリット
会社は、発行する株式の全部または一部を会社の承認なしでは譲渡できないように定款で定めることができます。
この譲渡制限を全部の株式につける会社を「譲渡制限会社」といい、一部の株式でも譲渡の制限をつけない会社を「公開会社」(上場会社とは違います)といいます。
※譲渡制限会社を「非公開会社」ともいいます。
譲渡制限会社は、公開会社と比べ有利な事項を活用できるメリットがあり、その有利な事項を下表にまとめてみました。
| 項目 | 公開会社 | 株式譲渡制限会社 |
| 取締役資格 | 株主に限定できない | 株主に限定できる |
| 取締役会設置 | 必ず設置する | 設置しなくてもいい |
| 取締役の任期 | 原則2年(監査役は4年) | 最長10年にできる |
| 議決権制限株式の発行 | 発行済株式総数の2分の1を超えてはいけない | 制限なく発行できる |
| 株主総会の招集通知 | 開催日の2週間前に書面(メール)で通知 | 口頭でもよい(計算書類の添付は必要なし) |
| 株主平等の原則 | 原則通り | 反する取り扱いが可能 |
| 株主総会の決議 | 定款あるいは法律で定めた事項 | 一切の決議が可能 |